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現れることの喜び

自由の本質とは 隠れたるものが現れる瞬間 ともなう喜び 人前に出るときの彼女は ハラハラドキドキしている 見られることは恐ろしい ジャッジされる空間は 危険に満ちており 一人きりになって 自由を人質に 心に閉じこもるとき 彼女は避難できたと感じる そこは安全だからである 心の監獄から解放され 明るい空間に踊り出ること 原始の勇気をふるい 見られる冒険に乗り出すこと みずみずしい自発性に 身内から突き動かされる体験 人前に出るときの彼女は ハラハラドキドキしている 生きている心地がする 自由の本質とは 隠れたる自分が現れる瞬間 ともなう喜び

見えるもの

見えないものは 見えるものに覆われている 彼らが汚らしい格好をあえてするのは 見えるものにタテ突くため 現象に中指立てるため 清潔 “感” を身にまとう 不潔な男 性欲をイメージで包んでいる 優しくてニコやかな表情 ヤることしか頭にない 見えないものは 見えるものに覆われている 電気を消してからが勝負 目つぶってからが本当 神さまを裏切って 現象に世界を売った男 人間がものを見 触れることができるのは ひとえに彼のおかげ 悪魔は言う「 よかったね 見えるようになって! 」 ああそうだね きみにも感謝しなきゃ ね(ありがとう 真実を追い払ってくれて)

プロメテウスは反逆者

六〇年代の科学技術 宇宙と核 重力という名の鎖から 人類が解放される日も近い 核兵器が生態系もろとも 地球をお払い箱にしても オレたち大丈夫 気楽に行こうぜ女子供 プロメテウスは反逆者 神さまの監視も届かない 彼の工房をのぞいてご覧 魔法じゃないよテクネーだ 原始の火がここまで来たか ロケットで宇宙へ乗り出せば 無重力 天も地もない 神も悪魔も関係ない 善悪などない 怖いかい? 女子供 そんな必死に祈ってさ だけどもう止まれない ブレーキ壊れた車と一緒 気楽に行こうぜ女子供 オレたち大丈夫 ほら 神さまなんて必要ない オレたちの頭で全部やってける パンもケーキも与えてやる ほら食え!

これらすべての意味

真の英雄とは 同時代の人びとに罵られ 死後に評価されるもの 信念を貫くとは何? 法をふみこえ 逮捕され罵倒され 家族だという理由で 両親は職場を追われ 弟妹は学校でいじめられ 本人は処刑される 恐ろしいことだ 世間から不正の人だと 思われ しかし 実際には正義の人で ある それを知っているのは 神さまお一人だけ 現象と存在の不一致 あるいは 誰も知らないか 存在なんてない? 恐ろしいことだ 後の人は言うかもしれぬ 労働と趣味に退きこもり 公に姿を現さなければ よかったのに! これは一体何だろう 信念のために生命を失うこと 起こったことの取り返しはつかない うなずくことも首をふることも 私にはできない 人間にとって これらは何を意味している この物語の主題は何? 恐ろしいことだ 宇宙の真ん中で 人間はよそ者である 天と地から生まれた この惑星の捨て子である 呼びかけに応じる者 誰もいない これらすべて 私たちがそのために 泣いたり叫んだりする 地上のゴタゴタすべて なぜかと問うても 宇宙はただ 沈黙したまま——

考える女性

部屋を行ったり来たりする女性 うつむき加減 腕を組んで 唇をきゅっと結ぶ とてもしっかり考え中 彼女の精神はいま はるか天空を懸命に羽ばたいている 邪魔をしてはいけない