あるべきではなくあるであるべき

 あるべきではなくあるであるべき! です。「ある」から目を背け、一つの種類の「あるべき」を掲げて、それが自分だと信じ込ませるのは危険だと思う。人間は「ある」であるから、一つの種類の「あるべき」言葉を繰り返し自分に言い聞かせても、絶対にうまくいかず、自らの掲げた「あるべき」に疑いをかけざるを得なくなる。ほんとうに求めているのは、あらゆる種類の「あるべき」が同時に達成される矛盾の満ちた状態であるからだ。「ある」はあまりにも多くの種類の「あるべき」で構成されているけれど、それらの「あるべき」を可能な限りたくさん、丁寧に把握して、できれば言葉にするべきだと思う。その上で、それら「あるべき」のバランスを考えたい。なにはともあれ、自分のことについてよく知る努力をすることから始まる。とっ散らかった欲求を持つ、どっちつかずの自分を受け入れて、よくよく観察することから始まる。論理的思考によって得られた立派な結論は、常に感情や身体感覚によってチェックされなければならず、いつでも簡単に切り捨てられる状態でなければならない。

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