投稿

5月, 2019の投稿を表示しています

両手にピースをちらつかせ

両手にピースをちらつかせ 大股で歩く 夜の八時 明るい交差点 人々と雑音と憂鬱 行き交うスーツと私服警官 キャップとtシャツ それからジーンズ 両手にピースをちらつかせ スキップをする 夜の八時 ひかるネオンライト 人々と喧騒と興奮 飛び交う唾と微睡む視線 キャップとtシャツ それからジーンズ 両手にピースをちらつかせ 立ち止まる 夜の八時 水面に月明かり 人々は遠く 僕だけが通り過ぎていく キャップとtシャツ それからジーンズ 両手にピースをちらつかせ どこへ行く 夜の八時 ひかる方へ行く 現れるために 影を落とし “本当”にするために キャップを被り tシャツを着て ジーンズを履きながら

朱鷺がとまる

近代の方舟は人類を運ぶね のっぺらぼうが乗っていらあ 塗りたくるぼくとぼくの恋人 背骨を矢にして宇宙に放つ 天球は割れて 海の色した冷たい空気が吹きこむよう 肺は言う (おいしい!) 科学は言う (じゃあぼくはどうすれば?) こっちおいで科学 にっこり笑ってダンスしようぜ ゆうら ゆら ゆらり ゆられて 心地よいいな (電車はどこへ) どこへも行かない ユートピアはない と 言うとき、あ 居間にとびこんだ朱鷺がとまる しゃべる (う、う、) 鵜? (う、う、うみ!) 嘴の方を見るぼくら 透明な海、発見 きれいだ…… もうなにもいらないなこれ (それなら わたしたちはどこへゆくの) ゆく場所にゆくよ (明日はどうあるべきなの) 明日はある 明日はある、よ