すごいものを

見た! 衝撃的だった。あまりの衝撃に心臓がとまるかと思った。軽いトラウマになるかとも。僕はそれを見間違えじゃなくて本当に見たのだ。なにを見たのかというと、なんと、映画を見た(観た)のである!(まるでUFOを見たかのような騒ぎかただけど、映画を観てそれくらい仰天してしまったのである。「なるほど、僕は映画を知らなかったのだ」と思った。ちなみにUFOも見ました。)

観た映画は『ジョーズ』と『未知との遭遇』である。早稲田松竹(高田馬場にある名画座)にて、スティーブン・スピルバーグ監督特集なるものが行われているらしいのを今朝ホームページで発見し、軽い気持ちで足を運んでみたのである。それがまさかそこまで衝撃を受けることになるなんていざ知らず。(なんか慣れない文体で書いてますよね。そもそも日記みたいな文章をふだん書かないから下手くそなんです。大目に見てほしいです。)

一本目の『ジョーズ』を観たあと、軽い放心状態になりながら「なるほど、これが映画なのか…」と深く合点した。僕はこれまで映画を観て感動することがあっても、たいてい心のどこかで「まあそんなもんか(僕の感性は…)」と思ったものである。しかし今回は違った。「これが映画だったのか。僕はこれまで本当の意味で映画を観たことがなかったのかもしれない」とすら思った。それくらい強烈な映画体験。

『ジョーズ』のあらずじはというと、島にサメがきて人々大騒ぎ、それを退治すべく署長やらサメの専門家やらが大奮闘するとかそんな感じである。これだけ聞くと実にたいしたことなさそう。そう、ストーリーはたいしたことないのである。『ジョーズ』は、サメがめちゃくちゃ怖いよ!という映画なのだ。「いうてスクリーンの中でサメが人を襲うだけのなにが怖いねん」とか思おてましたら大間違い。サメはでかい効果音と悲鳴とともに突如スクリーンに現れるのだが、われわれはそれを心臓をドキドキさせておとなしく待ってなきゃいけないのである。つまり演出が怖いのだ。サメが怖いんじゃなかった。演出だった。あの音楽と効果音と悲鳴さえあれば、ひょっこりはんがひょっこりする映画でもほっこりしないりっぱなホラー映画ができあがると思う。

二本目の『未知との遭遇』も面白かった。これがSF映画の名作である!ということをしみじみしながら観た。そういう意味では「学び」に近かったと思う。良いものを観ているのだ、これが名作なのだ、あらゆるSF映画の基礎となっている作品なのだと思いながら観ると、これからさき映画というものをより楽しめるような気がした。名作は(良いものは)ただ面白いというだけでなく、僕たちの知的好奇心を満たし世界を広げてくれる役割も同時に担っていると思う。

映画、いいかもしれない!