大きな理屈

透明になりたいものだ。黙っていよう! 好きなものもなければ思想もない。それでいてたしかな行動原理をもつこと。あらゆる選択は、自分でも説明のつかないような、背後に隠された「大きな理屈」にのっとって行われるのである。(行動原理:行動の根源的な動機となる本能・欲求・願望・信条・価値観など。)

ときどき激しいことを考えはするが、口にはしない。口にしたあと心変わりして「もうどうだっていいや」と思ったところで後には引けなくなると困るからだ。自分の考えていることはどういう歪んだ道筋から来ているのか?と想像すると、もうなにも分からなくなる。すべてはコンプレックスから来ているという可能性だってあるのだ。きわめて個人的な問題を克服するためだけに、自分以外の人や社会に対する評価まで歪めることだってあるのだ。気をつけろ。大いなる「分からなさ」!

みんな精一杯に生きているのだと思う。なるようにしかなっていない。誰も自分の人生を自分でコントロールできる人間なんていないのではないか。自分の思考を自分でコントロールできる人間なんていないのではないか。自分の感情を自分でコントロールできる人間なんていないのではないか。