本当の心に決めた人の腕の中で泣きたい
いつか
そのときのためにこそ
涙は一滴たりとも流さないのだ

平然としている
人は僕のことを薄情なやつだと思う
冷たいやつだと思う
情と熱のないやつだと思う

それもこれも
きたるべきときのための鎧なのだ
涙はある
涙はちゃんとやってくる

いつかきっと
自分の中にあるものを丸ごとぜんぶ引きずり出して
ひとりの人間に差し出すときがくる
不安と戸惑いのない心地よさに出会うときがくる

そのときのため
きたるべきときのためなら
ひとりの夜も耐えられる
孤独はただの伏線でしかなくなってしまうのだから