神経がゆるんだ状態が好きである。誰からも見られていない、やらなきゃいけないこともない、次の予定もない。朝起きたとき二階の大きな窓から差し込む太陽の光をじっと眺めたり、台所にある椅子に座ってゆっくりビールを飲んだり、灯油ストーブの近くにあるソファに寝転んでひたすら深呼吸したりできる。

人と居合わせているときは違う。いつでも呼びかけに反応できるように準備していなければいけないのだ。神経を張り詰めていなければいけないのだ。やらなきゃいけないこと、次の予定があるときも同じで、時間というものに気を配っていなければいけないのだ。警戒していなければいけないのだ。僕はそういうことがかなり苦手なのだ。