ものすごく軽いうつ

「自分を持て余している」みたいな時間がある。家にいても落ち着かないけどどこに行けばいいか分からないし、本を読みたい気分ではないし、聴きたい音楽もないし、何か書きたいこともないし、お腹は空いているけど何を食べたらいいか分からないし、誰かに会おうという気持ちにもならない、そういうときがある。何かが根本的に違っていて、居心地が悪いことだけは確かだけど、何をどう変更すれば正解なのか分からないのである。

今日は朝からそういう感じだったのだけど、コンタクトを入れたり寝癖を直したりするのは面倒だなと思いつつも、晴れていたから「外に出れば何かはましになるはず」と信じて出かける準備をし、昼過ぎ、お腹を空かせながら自転車を走らせた。

お腹が空いているから何か食べた方がいいと思いつつ、お金を払えば食べられるものの候補を挙げてみるのだが、どれも食べたいという気持ちにはならず、また、以前おなじような状態のときに気が進まないながらも食事をして、あまり楽しい気持ちにはならず後悔したことを思い出して、今日は昼食を食べないことにしようと心に決めた。

すると今度はどこに行こうかという問題になり、このまま適当に自転車を走らせるのも違うし、かといって「ここだ、ここに行こう!」と思えるような場所もないし……とあれこれ考えているうちに、結局いちかばちかコメダに行って本でも読もうという結論になった。うまくいくかもしれないし、いかないかもしれない。

結果的にはすごくうまくいった。今日はなぜかコメダに行って本を読むのが大正解だったのである。コメダで本を読んだりツイッターを眺めたりしているうちに、久しぶりに定食屋に行ってまともなものを食べたいという気持ちになり、夜七時頃、定食屋に行って「やきから(焼き肉と唐揚げ)定食」をお腹いっぱい食べ幸福感に包まれ、「このまま家に帰るのはもったいない!」と思ってスタバに行き、さらに二時間半ほど本を読んだ。その後、ようやく家に帰り、今この文章を書いているのである。

「そこに行ってみなければ(あるいはそれをやってみなければ)自分の求めているものが手に入るか分からない」というのはすごく不思議だが、困ったことである。はっきりいって、あまり良い状態とは言えない。たぶん「ものすごく軽いうつ」みたいな状態なのだと思う。(この状態がさらに悪化して、ほとんど家でのたうちまわっているしかない、みたいなひどい時期が僕にはあった。)