僕はほとんど世間のことを知らない! 知っていることと言えば、自分の数少ない人間関係のなかで起こった(と見える)ことと、物語のなかで起こったことだけである。僕は完全に一人きりというわけではないけれど、家にこもろうがこもるまいが誰にも気づかれないくらいには一人きりの生活を送っていて、そういった生活のなかで、数少ない「知っていること」をもとにしながら、できるかぎりの想像力を働かせてものを考えたすえに、僕の「人間関係」観なるものはできている。ごくたまに人と飲みに行ったりすると、ほとんど恋愛と就活の話にしかならなかったりするけれど、そういうとき、僕は本当に何も考えが浮かばないし、何も言うことがなくなってしまうのだっだ。疎外感…

でもなんか、別にいいやとも思っているのである。誰しも一人きりになる時期はあるだろうし、僕はたまたま大学に入ってすぐがそれだったというだけで、人には人それぞれの順番があるのだ。ずっと一人きりで、それが改善する見込みすらないとなると苦しいけれど(それはかつて僕が思っていたことなのだが)、そうでないのなら安心してよくて、そのときそのときで考えつつ行動していれば、おそらく何の問題もないはずだ。自分に言い聞かせているわけではなくて、確かに僕はそう信じているように思う。(本当のところで僕が何を信じているかなんて、この僕ですら分かりっこないのだけど。)