スーパーマンになりたい

andymori の「スーパーマンになりたい」がすごくいい歌詞なので見てほしい!

たった一度だけでいい スーパーマンになりたい
世界中の争いを憎み 世界中を愛し戦うスーパーマンになりたい

たった一度だけでいい スーパースターになりたい
世界中の人々に愛され 世界中の美女とやりまくるスーパースターになりたい


スーパーマンは「世界中を愛」するのに対し、スーパースターは「世界中の人々に愛され」るのである。そこの対比がおもしろく、実によくできている! つまりスーパーマンは真に「利他的」であり、スーパースターは真に「利己的」であると言うことができる。(現実にスーパースターと呼ばれている人たちが「利己的」であると主張しているわけではない。この歌詞で表現されている「スーパースター」の意味するところでは、ということでしかない。個人的には、ビジネス界隈で幅を利かせている人たち(オンラインサロンとかやってるやつら、お金をばらまいてる人とか)はみんな「利己的」だと僕は思っていますけど……。ごめんなさい。)

では、スーパーマンは「世界中の人々に愛され」ていないのか。スーパーマンは「世界中を愛」することによって、同時に「世界中の人々に愛され」てもいるのではないか? ……いや、「愛されていない」と言うことができると思う。それはスーパーマンが自らの正体を明かしていない(無名である)ことから明らかである。自らの正体を明かさないことによって、スーパーマンはその名声を自分のものとしない。見返りを受けることを最初から放棄しているのだ。


誰の心のなかにも(この曲をつくった小山田壮平のなかにも)「スーパーマンになりたい」自分と「スーパースターになりたい」自分とがいて、人はことあるごとにそのふたつの自分に挟まれ、葛藤している。

歌詞のなかで「スーパーマンになりたい」と「スーパースターになりたい」はまったくおなじ回数だけ歌われるのだが、題名を「スーパーパンになりたい」にしているところから、かろうじて(?)「スーパーマンになりたい」の優位が見られるのがいいですね…