僕がそうしたいと目指していることは、自分の欲望などを完全に棚に上げてしまって、できるだけ他人のために行動すること。しかもそれを「道徳的に正しいことだから」という単純な理由によってではなく、その他のあらゆるやり方をも考え抜いたすえに、それでもなお僕はそうするべきであると(どういうわけか)本気で信じている人間としてである。「自分の洞察や知性に対して理不尽かつミステリアスな感謝の念を抱」き、「終始つらい悲しみを味わっていながら、いささかも批判せず、すべてを赦しているよう」な人間としてである。そういう人間に僕はなりたいし、なることができなくても、それを目指している人間ではありたい。そういう人格を心のなかで何よりも大切にしている人間でありたい。