僕はめったに泣いたりしないのだけど、いまいつになく感傷的になっていて、暗い部屋の布団のなかでうずくまりながら、これはいったい何なのだろう? 僕たちがいままさにしていること、泣いたり怒ったり悲しんだりしながら、それでもなお全体としては祝福しなければいけないらしい人生について、すべての人がまったく同じように直面しているのにも関わらず、そのほとんどの部分を分かり合えない人生の意味とは、いったい何なのだろう? と考えをめぐらせながら、喜んでいるのか悲しんでいるのかもよく分からず、ただただ心が感じやすくなっている。いま月の裏側にいるような感じで、誰の手助けをすることもできないし、たぶん声も届かないけれど、すべての人をかわいく思いながら、すべてが良くなりますように、ちゃんと物事が正しい方向に進みますようにと祈っている(そうとう心が弱くなっているに違いない)。僕はいまとことん一人きりなのだけど、僕がいま遠くから地球を考えているみたいに、遠くから僕を考えている人がいることも知っていて、だからまったく寂しくはないのである。でもこれはいったいどういう感情だろう? とやはり思う。弱いけれど、すごく強い気持ちなのである。これで問題ない、大丈夫だと強く思うのである。