どんな人の、どんなささいな呼びかけにも反応すること。言葉を発しなくてもよい。話すことができない人たちがするように、仕草や表情や視線を使って「あなたのことを受け容れています」という合図を送ることができる。人は街中で知らない人とぶつかったとき、相手が怖い人ではないだろうかと怯えながら、小さく「すみません」と言う。そういった人たちを安心させる振る舞いをつねに心がけなければいけない。物腰の丁寧な老人を見習うこと。相手が自分に怯えているとき、こちらはあなたを傷つけるような者ではないということを、真っ先に分かってもらわなければいけない。地上にあるすべての争い、憎しみ、人間不信は、人間どうしが互いに怯え合っていることから始まっている。いつも変わらず穏やかでいること。砂漠にあるオアシスのような存在でいること。『大工よ、屋根の梁を高く上げよ』に登場する小柄な老人から多くを学ぶことができる。

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