大人が特定の子供について、その良し悪しをあれこれ評価したり批判したりすることは、絶対にあってはならないことだと思う。子供がただそのままの状態であっていけないという理由は何もないのだ。問題が生じるとすれば、いつも大人あるいは社会の責任であると言って、何も言い過ぎではない。子供は与えられたものを内側に取り込んだあと、それをほとんどそのまま外に向けて放っているだけである。子供にとやかく文句を言うより先に、僕たち大人はまず反省をしなければいけないだろう。

 そしてよくよく考えてみれば、それとまったく同じように、大人が特定の大人について、その良し悪しを評価したり批判したりすることも、あまり褒められたこととは言えないはずだ。なぜなら、人間は誰しも、与えられたもの以上のものを他者に与えることはできないからである(これについてどうかよく考えてみてほしい)。したがって、僕たちはまず穏やかに、それから謙虚に、必要に応じて反省的にならなければいけないのだ。

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