何かをするということ、つまり行為というものは、それがなんであれ、それをする人の勇気を必要とする。なぜなら行為は、それをする前には、それがどのような結果を引き起こすか、ほとんど予測がつかない上に、取り返しもつかないからである。そのため行為には、そのリスクをわが身に引き受けるということが含まれているのであり、それを進んでしようと思う者がいなければ、この世界ではまさしく何も起こらない。そのため、受動的にしかことを為さない人は、積極的にことを為す人に——それが引き起こす結果がなんであれ——負うている部分があるのである。また、行為をした人を赦し、起こってしまったことの埋め合わせをみんなでしよう、と考える力のない場所にあっては、行為をする者はいなくなってしまう。

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