私語厳禁の名曲喫茶が大好きで、そこでは、大音量のクラシックがかかっている店内に居座りながら、ものをじっくり考えることも、本を読むことも、文章を書くこともできるし、そして何と言っても、その場所では、いっさいものを考えず、ひたすら静かにしていることができる。「考えること、いや考えることでさえなく、ただ黙って一人になること(To be silent; to be alone)。(…)そこには自由があり平穏さがあって、さらに歓迎すべきことに、何かすべてを一つにまとめあげる力、安心感に支えられたくつろぎにも似た気分が感じられた」。店内にどれだけ多くの人がいようが、そして顔見知りがいようが、そこには、自分の家よりもはるかに私的な——あるいは内面的な、したがって一人きりの——空間がある。

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