回心とはいったい何だろう? 徐々にではない、ある一つの瞬間を境にして、これまでの自分がいかに間違った考えにとらわれていたか、頭ではなく心の奥だけで理解し、良心の呵責にさいなまれるとともに、泣きながら大きな喜びを感じる、といった現象。家族、友人、知人と、これまで関わった人たちすべてを含む、世界中のすべての人びとに対して、感謝と懺悔と愛着の気持ちをおぼえる。ごくたまにある楽しいことをのぞけば、人生は苦しみの連続である、と信じて疑わなかった人間が、自分は幸せ者であると決めてかかり、いまこの瞬間から死ぬそのときまで、自分がどうあればいいかについての、確固たる指針を手に入れるのである。

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