いつの時代、どこの地域でも変わることのないもの、普遍的なものの見方を身につけたい。人間はいつか必ず死んでしまうであるとか、誰も一人きりでは生きていけないということ、物質と精神、外見と内心、欲望と愛情、復讐することと赦すこと、弱肉強食と博愛、戦争と平和のような対立しあう生の現実は、人間が人間であるかぎりにおいて避けることのできない、永遠のテーマである。将来のことは誰にも何も分からない。これから先、誰と会ってどこで何をするにせよ、新しい時代が到来するにせよ、日本と世界の情勢がどうなるにせよ、犯罪者になって投獄されるにせよ、生まれた子供に障害が見つかるにせよ、何にせよ、私たちのするべきことに本質的な変わりはないはずである。あと必要なものがあるとすれば、良心にしたがう勇気、これだけである。私たちは心の中で勝手に、詭弁家よろしくあれこれお喋りしては、自らの良心を手なずけようとする傾向にある。しかし、いつまでもそうし続けているわけにはいかない。

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