人間の一生

のろりのろ
母なる大地をはいまわる
毛虫にも似ている
人間の一生はとても苦痛
さまざまな制約
良からぬ思惑
この肉体はいとわしく
第二の誕生はのろわしい

それでも偉大な彫刻家は
この作品に息を吹きこみ
その独り子たる建築家は
自らを犠牲に土台を築く

わたしは何も分からない

すべてがいずれ
あるべき場所に収まって
一つの流れになるという
人工衛星は地球をはなれ
ゆらりゆら
蝶のように舞い
やがて宇宙のちりになる

わたしは何も分からない

なぜ何から何まで
こんなふうなのか?
どんな意図があって
責任は一体誰にあるのか
目に見えるもの
心に浮かぶこと
衝動となって
たえず訴えかけている

それでも
わたしは分からない——

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