一度でも心を開くということは、そのさき一生、その相手に対しては心を開いている(あるいは、少なくともその心づもりがある)ということである。私の倫理観に照らし合わせればそういうことになる。もちろん、現実的にはそんなこと不可能だし、それを徹底しようとすれば人間関係は窮屈になってしまうだろう。しかしだからと言って私は、その日そのときで誰をどのくらい受け入れるか受け入れないかは自分の勝手なのだ、となんの後ろめたさも感じずに開き直っている人たちの仲間入りをしたいとはつゆほども思わない。いつでも両手を広げているような人間でありたい。相手の必要としているときに必要としている分だけ付き合う、まあ言わば、相手にとって「都合のいい人間」になれるものなら私はなりたい。

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