はげしい欲望

自然あふれる箱庭
燦々たる太陽
心の安らぎ
あり得べくもない場所は——

彼はいま
はげしい欲望に駆られていて
とにかくお金が要る
なんとかして!
と頭の中で叫んでいる

かすかな風景
記憶の奥で光っている——

ふっと正気に返り
さあっと心が引いていく

ざわざわ夜の森林のような
だれもいない彼は部屋に一人きり
自分を罵っては頭をおかしくした

それを見ている者もいない

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