誰もが子供である

 心をすっかり明るくして、正しい見方で世界を眺めるのであれば、私たちはどんな他人の心の中にも、かわいい無垢な子供の姿を見出すことができるものである。誰もが子供みたいにはしゃいでいたり、あっけらかんとしていたり、あるいはちょっとだけ怯えて内向的であったり、それでいて何か期待するような眼差しを向けていたりするものである。私たちがそのことに気づかないのは、私たち自身が未熟であるとか、余裕がないとかのせいなのである。この私自身、他人の心の機微に注意を払わず、自分の意識ばかりに気を取られているせいで、どれほどたくさんの可能性をどぶに捨ててしまったことだろう! 私たちは正しい心の準備さえあれば誰とでも意気投合できるのである。もちろんこれは綺麗事には違いないけれど、それでもどこか単なる綺麗事として片付けることのできない、一片の真理が含まれているように私は思う。

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