まどろんで

まどろでいるときの意識は曖昧な
手付かずの心象をただ眺めている
乳白色のカラフルな流れの動き
きらっと光っては弾けて消える思念
躍動する海の波をかけるイワシの群
懐かしい匂いの正体はついに掴めず
ゆっくり旋回するは闇の鯨
ふと遠く聞こえる母の呼び声
教会の鐘の音からんころん鳴る
否応なしに大きく深くすべてが
渾然一体 ゆっくり巡っているその様
意識の下はマントルのようである

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