小さい悪魔

デモーニッシュな小さな獣が
ほんの一筋の優しさを見せる
ここは無意識
クールさに覆われた彼のおびえを
けらけら笑ってバカにする
だけどこれには意味があり
彼を世界と和解させるための
彼女なりのやり方である

彼は自分をアポロンだと思い
そうではない自分を嫌悪する
恒常なるイデアの天空のいと高き所へと
昇っていく夢を見る彼の浮いた足もとを
かっさらうのが彼女の役目
その気まぐれは不思議なことに
大賢人の教えと同じもの

太古からある精霊が
彼女の思いつきに知恵を吹きこむ
誰もが恐れ遠ざける彼を
手を叩いて笑いながらも
愛してあげるのが彼女のやり方

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