これだけ科学技術も発達しているのに、人間はいまだ生活の大部分を労働に費やしている。貧しい人たちもいまだに存在している。科学技術のおかげで生産力はアップしているし、一人の人間が食べることのできる量など限られているのに。資本主義は、使用する物を消費する食べ物のように扱っているので、いくら生産力があってもそれで十分とは言えないのである。

 足るを知るな、もっと欲せ、もっと働け、経済を回せ、というのが資本主義のスローガンである。そのために企業には、便利で新しくはあるが、すぐに壊れる物を開発することが求められる。生産のスピードについて行くため、過剰な宣伝広告が、人々の無自覚のうちにある欲望をかき立てる。それらすべてが、人間のためではなく、経済を回すために行われる。

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