存在に拘束されて
愛し方が足りないと言うのか
私を世界に投げ入れた者に
もっともっと!
と けしかけられる
だけどそもそも
一体誰の許可を得て
そんなことをしたのか
私がそれを望んだと言うのか
どこからやって来て
どこへ行くのか
誰も知らない
始まりと終わりの外のことは
神さまだけが知っている
すべてなすがまま
彼女の自発性は
いと狭き空間に
閉じ込められている
若紫の人生とは何だったのか
生まれ直しても
彼を愛しただろうか
何はともあれそれはあった
あったはあるので
なかったを想像することは
語り得ないことである
あったことの外のことは
神さまだけが知っている
私がそれを望んだと言うのか
私がそれを望むことを
あてにしたのか
目に見えるものの外のことは
神さまだけが知っている
目に見えるものの意味も
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