お金を稼ぐことは必要だが、必要以外の何ものでもない。お金持ちが「おれは大人物なんだ」と思い上がりそのように振る舞うのを見ると、そしてそれに群がり賞賛し有り難がるその他大勢を見ると、私はいつも嫌悪感を抑えることができない。理性的にそれは間違っていると考えるだけでなく、感情的に気持ち悪いとさえ感じてしまう。この「感情で嫌悪する」という側面は、明らかに私の反省すべき点である。この嫌悪感のせいで、理性が正しく使われているかも疑問に付されてしまい、思考のすべてが台無しになる。感情が用意した結論ありきで理性を働かせたのではないか、理性が感情に仕えたのではないかという疑いである。私の心は「たちの悪い心理学者」にあれこれ詮索される。例えば、「そんなことを考えるのは、あなた自身が心の奥底では彼らに嫉妬しているからですよ」と。このような指摘に反論することは不可能である。心の真実は私自身にも分からないし、心理学者にも分からないし、神さまだけが知っていることである。

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