レザー・アスラン『イエス・キリストは実在したのか?』という何とも挑発的な邦題の(原題は Zealot: The Life and Times of Jesus of Nazareth なのでそこまで挑発的ではないが、中身はやっぱりセンセーショナルな)本を読んでいる。面白い。この本のような、時代的にも場所的にもはるか遠くの文化について詳しく知ることのできる本が、私は大好きだ。一世紀パレスチナのユダヤ教の儀式、神殿のにぎわい、ローマ帝国による支配の容赦なさ、独立運動に燃えたぎるユダヤ人革命家の熱気などが、行間から伝わってくる。ナザレのイエスについての記述もわくわくするが、それ以上に、彼の生きた時代と場所の空気感がたまらない。

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