制裁の感情

 人が人を傷つける。それだけだったらまだいい。最もやるせない気持ちにさせるのは、傷つける側の方こそ、すでに相当傷ついている人なのだ、ということ。制裁の感情に駆られて、ジャッジして、社会から切り捨てれば、物事が解決するわけではないのだ。社会の一員である私たち一人ひとりの、過去のささいな言葉と行ないが、積もり積もり、そのしわ寄せが一部の人たちに降りかかっているのだ。制裁の感情に駆られているお前は何さまなのか? 過去の自分の言葉と行ないに反省点は一つもないのか。日々、出会う人の心を癒す努力をしているのか。制裁の感情で、人の心を癒せるのか? 人の心を癒すことが重要で、それ以外は何も役に立たない。子供の純粋な心と、私たち大人の精神的な修道だけが唯一の道なのである。

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