理←→心

 一つのに適った考えを抱くことと、そう考えるよう動機づけられたにひそむ自分の問題を直視することは、互いに正反対の作業である。後者は、自己反省の作業である。公平な考えを抱くためには、自分の心の中をくまなく調べる作業が必要である。私たちは、一つの考えを採用することで、自分の心を防衛しているのかもしれない。自分の心に自覚的になることで、たえずその可能性を小さくする努力が必要である。偉大な哲学者であろうとするなら、偉大な心理学者でもなければいけない。多少なりとも客観的であろうとするなら、最もプライベートで見るに耐えない、自分の内奥についても知る必要がある。

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