人生はすべて運次第である。神さまは人間に対し、幸運を等しく分け与えてはくださらないので、私たちはその気まぐれに対抗し、自分たちで何らかの策を講じなければならない。神さまは互いに等しいはずの私たち人間を、等しく扱ってはくださらないので、思いつきに左右されやすい神さまの決定を修正し、私たち自身で運を分配しなおさなければ。神さまの見地からすればこの世界は公正なのかもしれないが、かもしれないことを頼みにして、何もしない自分を正当化したくはない、良心をなだめたくはない。あるいはこの良心こそ、神さまの意志なのだとすれば(そう考えてもいいが)、私はこの「運の再分配」という仕事を、神さまから委託されたのだと思うことにする(全能なんだから自分ですればいいのに)。

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